理事長を拝命いたしております小田部でございます。
ご存知の通り,アメリカの第2次トランプ政権は,発足後から関税や税制改正といった経済政策を矢継ぎ早に打ち出し,我が国の経済の先行きは不透明な状態となっています。
一方,近年の組合を取り巻く経営環境は,受注の伸び悩みが顕在化するなかで,試験材料価格の上昇に始まり,器具備品や機械修繕までほぼ全ての分野で価格高騰の勢いが収まらず,2024年6月に一部の試験単価を10%弱値上げさせていただきました。その後も,諸資材価格の高騰は続いておりまして,試験単価の値上げ効果が得られないのではないかと危惧いたしました。しかし,2024年度は関東エリアにおきまして比較的堅調な建設投資の効果でしょうか,上期から組合員の皆様方からの多様なご依頼をはじめ,員外会社からの能登半島地震災害関連や防災関連等の業務依頼をいただき,受注は通期で安定し順調に推移しました。また,ご依頼に対して職員が一丸となり業務の内製化を進めたことで,完工高に占める外注費率の低減が図られ,結果として,受注・完工及び損益ともに当初の目標を上回る数値を達成することができました。今期の事業実績は,組合員の皆様方からの絶大なるご支援をいただいた結果でありまして,職員一同心より深く感謝を申し上げます。
当組合は各種土質試験・岩石試験により地盤が持つ様々な特性を明らかにし、その結果が設計・施工・維持管理等の次の事業ステップに反映されており、大きな社会貢献を果たしていると言えます。当組合の技術には、いわゆる匠の領域があり、形式知と共に暗黙知の占める部分が大きい分野であります。これからも、技術伝承のもと次世代の育成を睨み、人口減少に伴う担い手不足を視野に置き、土質試験・岩石試験の自動化を進め、益々の飛躍を目指してまいります。今後も業務の内製化並びに効率化を進め、品質確保に伴う技術力の向上を目指すとともに、組合情報・活動の発信にも注力し、組合員の皆様方からの信頼をさらに深めるべく、理事・職員一同が一体となって業務を進めてまいります。
組合は本年度も「組合員各位から信頼される組合」、「組合員各位の良きパートナーとしての組合」、「組合員各位に満足いただける常に良質の技術サービスを提供できる組合」を、組合職員の使命として日々研鑽し、よりお役に立つ組合を目指します。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年5月23日
(株式会社アサノ大成基礎エンジニアリング )