関東土質試験協同組合
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設計CBR試験について

皆様、いつもお世話になっております。材料試験担当の山田 賢治と申します。今回は、CBR試験の中の、設計CBR試験について述べます。
 設計CBR試験とは、主に路床土を対象にした試験で試験結果として得られるCBR値をもとにアスファルト舗装の舗装厚や舗装構成を決める際に用いられます。
 試験方法の概略としては、採取された試料を37.5mmフルイで粒径を37.5mm以下に調整し(写真-1)、15cmモールドに3層に分け各層67回で突固めて供試体を作製します(写真-2)。その後4日間供試体を水浸(写真-3)し吸水膨張試験を行います。4日間の水浸後、貫入試験を行い(写真-4)CBR値を求めます。

写真-1
写真-1
写真-2
写真-2

吸水膨張試験は、4日間水浸することにより供試体を長期間の雨などにより、最も悪い状態を想定して行うもので、膨張比によって道路舗装における路床の状態の目安になります。
 膨張比の目安は、良好な路床で1%以下、通常の路床で3%以下、不良な路床で3%以上、腐植土で7~20%程とされています。
 試料の含水状態等によっても変動しますが、一般的に粘性土のCBR値は低く、砂質土、砂礫等はCBR値が高くなる傾向があります。
 試験結果として得られた値がCBR値2%未満の場合、舗装の基礎として不適当であると判断され目標とする支持力が確保できるように、地盤改良した路床が設計される場合もあります。

写真-3
写真-3
写真-4
写真-4

地盤改良した路床を検討する場合は、配合CBR試験を行います。配合CBRとは、土や地盤を改良する際、固化材の添加量とCBR値の関係を調べ、設計強度に対応する添加量を求めるために用いられます。突固め、水浸、貫入等は設計CBRと同様の方法で行います。
 設計強度に対する添加量を決定するためには、目標に達すると予想される添加量を中心に、三段階以上に添加量を変化させた供試体を用いて試験を実施します。
【配合試料作製時に注意していること】
 固化材と原土を混合するときの混ぜ方が試験結果に影響を及ぼす可能性が高いため、目視等で混合の程度を確認し、均一に混合されている状態にします。混合時間は、一般的に5~10分程度とされていますが土の細粒分が多いほど、均一に混合するために必要な時間は長くなります。当組合では、細粒分が多い試料の場合、混合後に再度9.5mmや4.75mmフルイを通過させることで混合後試料の均一化を図っています。
 養生環境と日数は、安定処理の目的や、施工機関によって異なりますが、当組合に御依頼いただいている多くは日本道路協会の舗装試験法便覧に準拠している試験方法であり、対象土が路床で配合CBR試験を実施する場合の養生環境と日数は、セメント系 「空気中:3日」「水浸:4日」 計7日、石灰系 「空気中:6日」「水浸:4日」計10日となります。配合CBR試験を行う時は、工期に余裕を持って御依頼ください。

文責:技術部 試験課 山田 賢治

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