関東土質試験協同組合
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土の室内透水試験

土の透水試験は、飽和状態における透水係数を求めることを目的としています。求められた透水係数は、地盤の透水性や浸透水量を推測することに利用されます。この透水係数は、動水勾配と土中を流れる水の流速から求められます。水の流れが層流である場合にはDarcyの法則が成り立ち、水の流速と動水勾配とは比例関係が成り立ちます。水の流れが層流であるか乱流であるかは、レイノルズ数(以下Re)で判断されます。地下水の浸透流ではRe<1ということが知られています。Re<1の条件では水の流れは層流と考えられています。しかしながら、不攪乱のゆるい砂など特定の条件下での試験では、水の流れが乱流ではないかと心配することがあります。(その点は定義次第でしょうが)
 さて、透水試験には変水位透水試験(変水位法)と定水位透水試験(定水位法)とがあります。
前者は粘性土から砂質土を対象とし、後者は砂質土から礫質土を対象としています。どちらの試験方法で試験を行うかは、土の種類から経験的に判断されます。しかしながら、定水位法が妥当だと思われる砂質土や砂礫の試料でも想定よりはるかに透水性が悪いことが稀にあります。飽和段階や試験中に想定以上に締まるためだと考えられます。
 また、細粒分をわずかに含み、なおかつゆるい試料では、試験中に、細粒分だけ流れ出てしまうという事象が起こることがあります(写真-1)。通常は、写真-2の様な状態で行います。
 こうならないためにも、細心の注意を払って試験しておりますのでご安心ください。


写真-1
写真-1 
写真-2
写真-2

最後に、透水試験を行う際に気を付けていることは、以下の2点です。
試験供試体の観察:水路となりうる草茎や草根、空孔の有無の確認をします。水路を排除して試験を行えない場合にはその旨をご報告いたします。
試験容器と試験供試体周面との密着性:成形後もしくは作製後に目視にて密着しているかを確認します。
こうして、安心安全な透水試験が行われます。

(技術部 試験課 小野 晃裕)

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