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組合情報・ニュース
ジオ・ラボネットワーク2025年度スキルアップ研修会に参加して

去年よりジオ・ラボネットワーク(組合間のネットワーク)では、試験担当者の能力・技術向上を目的としたスキルアップ研修会を行っております。今年度は物理試験全般をテーマとして8月28日、29日の2日間で開催され、私は関東代表として参加してまいりました。去年と同じ「協同組合土質屋北陸」にて集合研修となります。
1日目は、北陸の森川専務理事のご挨拶に始まり、試験室の見学、物理試験の意見交換、メインとして中部大学工学部都市建設工学科の杉井俊夫教授のご講演「飛躍する土質試験の技術と期待」でした。ご講演で印象強かったのは粒度の沈降分析において沈降分析用質量が影響していないのかという点において、去年度の技能試験のデータを解析されており、粘土分が試料量に影響を受けることを懸念しておりました。JISでは試料量の規定は下限値は設定してあるのですが、ASTM(アメリカ材料試験協会規格)では上・下限値が定められており、上限値がないのは改めて考えさせられるところでした。他にも自動沈降分析試験装置のご紹介もあり、24時間の計測が最短2~3時間で行え、人為的誤差も減らせるそうです。試験所間でのズレもなくなり標準化できれば素晴らしい装置になるのではないかと感じました。夕方からは懇親会もあり、北陸の皆様を始め、各組合の皆様と親睦を深められました。

2日目は液性限界・塑性限界試験の実地比較を行いました。ヘラや試料測定の容器などの道具や、試料の扱い方が試験法を順守する中で組合毎にいろいろな手順があることを知り勉強になりました。そして物理試験の意見交換を続いて行いました。大切なのは本研修会のテーマでもありますが、スキルアップ・技術力を高めていくということです。土はご存じの通り様々です。中にはサンプリングが上手くいかず、試料の状態が悪かったり、試料不足もままあります。それを無理矢理試験するのは信頼できる土質試験者とは言えません
私は、依頼者と十分な協議を行って土質試験を頼むなら「ジオ・ラボネットワーク」という様な関係になれるよう切磋琢磨していきたいと思います。
試験課 田口 幸雄